おしらせ : 新型コロナウイルスの変異株に対する、低濃度オゾンの効果について
投稿者 : manager 投稿日時: 2023-03-20 13:20:26 (1707 ヒット)

 

新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)の変異株(アルファ株〜デルタ株まで)に対する【低濃度オゾンによる不活化効果】を奈良県立医科大学の研究チームが確認しました

プレスリリース発表(奈良県立医科大学へのリンク)→https://www.naramed-u.ac.jp/university/kenkyu-sangakukan/oshirase/r3nendo/ozone.html

奈良県立医科大学とMBT コンソーシアム(株式会社タムラテコも参画)、MBT 微生物学研究所株式会社の研究グループは、有人環境下での空間濃度の基準値とされている 0.05ppm、0.1ppm の濃度のオゾンガス曝露において、新型コロナウイルスのアルファ株、ベータ株、ガンマ株、そしてデルタ株の不活化を確認しました。また、高湿度条件下では不活化の速度が速まることも確認され、オゾンの実用性を学問的に示しました。

「さらに、株式会社タムラテコでは、オミクロン株に対しても同じ環境下での試験を依頼しており、実験条件が整い次第、奈良医大にて検証を行う予定ですが、これまでの結果からオミクロン株においても同様の効果を期待しています。

実験に至った背景

株式会社タムラテコは、2003年の設立以来、一貫してオゾン・紫外線を利用した衛生対策機器・水処理機器等を製造しており、2008年に総務省消防庁より告示・導入された救急隊員(救急車)向けのオゾン感染対策機器導入(※平成20年9月2日付け一般競争入札告示:新型コロナウイルス感染防護資材及びオゾン発生器一式の導入)を皮切りに、鳥インフルエンザウイルス(H5N1)、ノロウイルス、H37RV /BCG結核菌、MRSA、MSSA、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌、クロコウジカビ、その他多数の菌・ウイルス・化学物質などのオゾンによる分解・不活などを第三者機関にて実証してまいりました。2019年より猛威を振るう新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)へのオゾンによる不活化実験は過去に当社からの機材提供にて行われております。

1:2020年5月14日に奈良県立医科大学とMBTコンソーシアムより1ppm/6ppmのオゾンにて実証

2:2020年8月26日に藤田医科大学にて人体に安全な0.1ppmのオゾンにより実証し公開

共に、医学誌に査読完了した論文が公開されています。

【Inactivation of severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2) by gaseous ozone treatment】

【Reduction of severe acute respiratory syndrome coronavirus-2 infectivity by admissible concentration of ozone gas and water】

今回の実験において、0.1ppmの低濃度オゾン(人体に影響が少ない※日本産業衛生学会による許容濃度)によって、従来株から変異が続く新型コロナウイルスに対しての不活化効果を確認することであり、何も行わない自然元減衰状態(コントロール)と低濃度オゾンに一定時間曝露とを比較することで不活化の条件について明らかにすることができました。

尚、本実証は実売されている実機を用い、試験用閉鎖空間にて試験が行われており、実使用環境での効果を示すものではありません。また、当社は厚生労働省が提唱する新型コロナウイルス感染対策(換気/手洗い・うがい/ソーシャルディスタンス、そしてワクチン接種)を転換する等の意向は一切なく、補助的に使用する為の機器として設計されています。

試験方法:

密閉ボックスにウイルス付着の試⽚を室温 20-25℃ の条件で静置し、オゾン発⽣器から発 ⽣するオゾンを5時間/10時間/20時間曝露させた。曝露するオゾンの濃度と湿度は0.05ppm/湿度80%と50%、0.1ppm /湿度50%と80%である。

オゾン曝露を行ったウイルス:

1:野生株、2:アルファ株(英国変異株)、3:ベータ株(南アフリカ変異株)、4:ガンマ株(ブラジル変異株)、5:デルタ株(インド変異株)

オゾン濃度の基準〜なぜ0.1ppm/0.05ppmなのか?〜日本と米国の基準の違い

今回の実験で検証したオゾン濃度が0.1ppm/0.05ppmは何を根拠に設定されているのでしょうか?オゾンは元々人が生活する大気中にも微量に存在しており、雷や太陽光線の紫外線などによって微量のオゾンが発生します。森林や海岸線などでは低濃度オゾンが観測されており、例えるなら室内で森林の爽やかさを再現するイメージをお持ちいただければ幸いです。

産業活動によってもオゾンは発生する為(溶接や大電流を使用するなど)、人体に影響のないオゾン濃度が古くから研究され、濃度基準が設定されました。これが、日本では0.1ppm/米国0.05ppmという基準です。皆様がいる空間で機器を稼働する場合、室内のオゾン濃度は基準以下でなければなりません。弊社だけではなく、オゾン発生機もしくは副次的にオゾンが発生する機器を取り扱う企業は、こうした基準を順守し、お客様の安全の確保に努めています。

試験結果:

低濃度オゾン曝露を5〜20時間行った変異株の感染力価は、自然減衰の緩慢な減衰と比較して5時間、10時間、20時間で検出限界まで不活化されることが確認された。また、同濃度であれば湿度が高い方が不活化効果が高いことも同時に確認された。

試験方法・評価方法

試験ウイルス:新型コロナウイルス SARS-CoV-2 ・野生株(2019-nCoV JPN/TY/WK-521)・アルファ株(VOC-202012/01)・ベータ株(B.1.351)・ガンマ株(501Y.V3, P.1)・デルタ株(TY11-927)を使用した。

ウイルス液をシャーレに20 μl付着させ、⼀定時間静置して乾燥させ密閉ボックスにウイルス付着の試験片を室温 20-25℃ の条件で静置し、オゾン発⽣器 から発⽣するオゾンを上記の⼀定時間暴露した。作用時間後にウイルス回収液を⽤いてVero E6細胞に感染させ、ウイルス感染価 PFU/sample をプラーク法にて測定、3⽇培養後に細胞を観察し、ウイルス感染価ならびにウイルスの不活化効果を算出した。

当社のオゾン機器と安全性について

オゾン(O3)は成層圏(オゾン層)に存在する気体と同じであり、空気中の酸素に電気的エネルギーを加えることで発生させることができます。原料が酸素な為、備蓄調達が不要で薬剤ではないので耐性も発生させず、反応後は速やかに酸素に戻る為に後処理も不要と大変にエコロジーな素材です。反面、濃度が高いと目や鼻、呼吸器に違和感や独特なオゾン臭気を伴う事も知られており、我が国では産業衛生学会にて、人がいる空間での許容濃度は0.1ppm(40時間/週)と規定されています。また米国では0.05ppmとしてより厳しく規定されています。

株式会社タムラテコの製造するオゾン機器は、上記規制値を遵守し、有人環境下で使用する低濃度機器と無人環境で急速高濃度で使用する機器と明確に分別されており、当社認定の代理店との協議によって使用者様の環境に合わせた機器を設置しております。