プラズマオゾンという選択肢-

オゾンは自然大気中に存在して、酸素からできています。そして強い分解力により、細菌(カビ・ウイルス)や臭いを直接分解します。しかも役割を終えると、またもとの酸素に戻るので無害・安全な除菌分解が可能となります。

ウイルス・カビの除菌

オゾンには細菌・ウイルスを除菌する効果があり、薬品と違い保管・管理がいらず安心です。カビにも効果的で、その増殖を防ぐことができます。

オゾン除菌対象菌例

■胞子形成細菌
■MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
■MSSA(メチシリン感受性黄色ブドウ球菌)
■有胞子酵母
■結核菌
■エイズウイルス
■セラチア菌
■病原性大腸菌(O157含む)
■緑膿菌
■カビ
■サルモネラ菌
■セレウス菌
■コロナウイルス
■ノロウイルス
■アデノウイルス
■インフルエンザウイルス

1.オゾンガスによる一般細菌に対する除菌効果

○試験菌株:大腸菌       :Escherichia coll IAM1239
        黄色ブドウ球菌  :Staphylococcus aureus N20(消毒剤耐性株)
                     :Staphylococcus aureus RN2677
        化膿レンサ球菌 :Streptococcus pyogenes IID689(S8)
○使用培地: ・ブレインハートインフュージョン (BHI)液体培地(日水製薬)
         ・ブレインハートインフュージョン寒天培地(日水製薬)
○試験方法: 調整した試験菌液を約105~106cellsとなるように1.5%寒天平板に塗沫し、オゾンガス殺菌装置内で1ppmのオゾン濃度で1時間処理した。各平板上に約50℃に保温した寒天培地20mlを積層し培養した。生菌数測定用培地として一般細菌にはBHI寒天培地を用いた。

菌株
未処理の菌数
(CFU/シャーレ)
オゾン処理後の菌数
(CFU/シャーレ)
除菌効果
(%)
オゾン処理条件
大腸菌 IAM1239
1×106
72
99.99

オゾン濃度
1ppm
処理時間
60分
(CT値60)

黄色ブドウ球菌 N20
5×108
57
99.98
黄色ブドウ球菌 RN2677
5×106
45
99.99
化膿レンサ球菌 IID689(S8)
3×105
0
100

※検査機関:昭和薬科大学微生物研究室

 

2.低濃度オゾンガスによるインフルエンザウイルス不活化試験

試験日時:平成21年8月6日
試験場所:(財)北里環境科学センター ウイルス部 ウイルス課 (北里大学 医学部内)
試験ウイルス:A型インフルエンザウイルス
試験資料:オゾンガス(濃度0.1ppm)
 [オゾンガス発生装置 バクテクターJR(TT-11DK)]
作用時間
・オゾン曝露:0,1,2,3時間"
・未曝露:0(初期ウイルス感染価:オゾン曝露と共通),3時間"

試験方法
  1.ウイルス液0.1mLをシャーレに塗布する。
  2.シャーレを安全キャビネット内で20分間放置し乾燥させる。
  3.チャンバー(※1)内にオゾン発生装置とシャーレ4個(※2)を設置。
  4.オゾンガスを発生しウイルスの付着したシャーレを曝露する。
  5.シャーレを経時的に取り出し、ウイルスを回収する。
  6.回収したウイルス液の感染価を測定する。
チャンバー内温湿度
・温度:開始時23度 終了時27度
・湿度:開始時65%  終了時55%
注記
※1.チャンバー:塩ビ製 W1000×D400×H390  容積:約156L
※2. 1個は予備として設置。

試験結果
ウイルス感染価の経時変化

試験区
作用時間(時間)
0(初期)
1
2
3
オゾンガス曝露
6.3×108
4.5×107
6.3×106
1.7×106
未曝露
2.9×108

単位:TCID50/mL

ウイルス感染価の不活化率とCT値

試験区
作用時間(時間)
0(初期)
1
2
3
オゾンガス曝露
( CT値 )
0
92.9%
(6)
99.0%
(12)
99.7%
(18)
未曝露
54.0%

CT値 : 作用時間(分)×オゾンガス濃度(ppm)
(財)北里環境科学センター

所  見 : オゾンガス0.1ppmを2時間以上暴露することにより、99%以上のウイルス不活化を確認する。

3.オゾン水による除菌・ウイルス不活性化効果

1. オゾン除菌機構
オゾン除菌機構は、マルチポイント攻撃で、死んでしまった菌体を破壊しつづけ最後に遺伝子も破壊する。オゾンに耐性を持つ細菌が出現しにくい理由と考えられている。


2オゾンによるウイルス不活性化機構
ウイルスの不活性化は、タンパク質とオゾンの反応、及びウイルス内部に入りこんだオゾンと核酸の反応によるものと考えられている。具体的にはウイルスのタンパク質コートにダメージを与え、タンパク質コートの脱離をしにくくさせRNAの放出を阻害したり、RNAに直接損傷を与えてウイルスを不活性化させている。


3.オゾン水の除菌効果
全8種類の臨床分離株を用いたオゾン水による除菌効果を示す。特に、臨床現場から分離させた細菌を用いたことで、病院内に存在する現場での感染性細菌への効果が実証された。


オゾン水の臨床分離株に対する除菌効果

試験菌
試験液
残存生菌数(CFU/Plate)
オゾン水濃度
コントロール
5秒後
15秒後
30秒後
60秒後
90秒後
黄色ブドウ球菌
2mg/L
6.0×108
1
1
不検出
不検出
不検出
MRSA
2mg/L
6.0×105
8
8
不検出
不検出
不検出
大腸菌
2mg/L
3.0×108
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
O-157
2mg/L
2.5×104
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
サルモネラ菌
2mg/L
6.0×102
30
3
不検出
不検出
不検出
セラチア菌
2mg/L
5.0×106
7
不検出
不検出
不検出
不検出
緑膿菌
2mg/L
2.1×103
80
2
不検出
不検出
不検出
腸炎ビブリオ
2mg/L
6.0×103
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出

4.ウイルスに対するオゾン水の不活性化効果

 

オゾン水のウイルスに対する効果

ウイルスの種類
オゾン水濃度
微生物濃度
pH
温度
接触時間
残存
mg/L
個/ml
インフルエンザウイルス
1
105.3EID50
7
21
5
不検出
鶏脳骨髄炎ウイルス
1
102.5EID50
7
21
6
不検出
犬伝染性肝炎ウイルス
1
101.5TCID60
7
21
5
不検出
犬パルボウイルス
1
102.5TCID50
7
21
6
不検出

日本医療環境オゾン研究会

5.医療の場でも幅広い活躍

眼 科 : オゾン水が角膜や粘膜にあまり障害を与えないとのことより、白内障手術で良好な結果が得られています。

オゾン水の眼科領域における利用 

オゾン水
ポピドンヨード
ポピドンヨード
ポピドンヨード
32倍希釈液
16倍希釈液
8倍希釈液
当日
0度
11(31%)
1(3%)
0
0
1度
12(34%)
2(34%)
0
0
2度
8(23%)
18(51%)
4(40%)
0
3度
4(11%)
4(11%)
6(60%)
3(75%)
4度
0
0
0
1(25%)
翌日
3(9%)
4(11%)
5(50%)
3(75%)
1週間後
1(3%)
6(14%)
3(30%)
2(50%)
眼数
35
35
10
4

※当日は術後1時間から2時間の間に細隙灯顕微鏡で観察し、障害の程度を以下5段階で評価した。なを術翌日と1週間後にも同様の観察を行った
0度 : 角膜がフルオレスセインにて染色されない場合
1度 : 角膜の一部のみフルオレスセインに染色されない場合
2度 : 角膜のほぼ全面に点状表層角膜症が存在する場合
3度 : 角膜全面に点状表層角膜症が密集する場合
4度 : 角膜びらんが生じた場合

歯 科 : 歯科分野においてはPHが中性に近いこと、刺激が少ないことや、さらに口腔内組織の局所で酸素を放出するなど、嫌気性菌である歯周病原細菌に対する効果が高い理由から歯周病治療に用いられている。

オゾン水の歯科領域における利用  

歯 周 病 原 細 菌 種
オゾン水濃度(mg/L)
作用時間(sec)
平均生菌率(%)
Porphyromonas.gingivalis
0
30~60
100
2
30~60
0.4
4
30~60
0.19
Prevotella/intermedia
0
30~60
100
2
30~60
0.07
4
30~60
0.02
Fusobacterium.nucleatum
0
30~60
100
2
30~60
4.73
4
30~60
0.42
Eschrichia.coli(対照菌)
0
30~60
100
2
30~60
0.39
4
30~60
0.16