動物病院へのオゾン(水・ガス)の利用利点について

1、 オゾンには、強い殺菌力と脱臭力があります。
2、 殺菌力は(細菌・ウイルスなど広範囲)で、塩素の約7倍あります。
3、 脱臭力は(糞尿臭・動物臭・腐敗臭など広範囲)で、原因物質を直接分解するので即効性があります。
4、 オゾン水はPH7.2と中性で、(強酸性水等に比較して)刺激も無く皮膚や粘膜にやさしい性質です。
5、 オゾン水は、(自然の)食品添加物として生食材や調理器具類への直接使用が認められていますので、口や粘膜に入っても無害安全です。

 
喧嘩傷   爪周囲炎
 
毛包虫   咬傷

 

動物病院へのオゾン(水・ガス)利用方法について

1、 オゾンは、使いたい時に水栓を開くと自動的に生成されますので、備蓄タンクや薬品在庫を必要としません。
2、 オゾンは水量が豊富ですから、殺菌洗浄が(皮膚全体にまで)連続して十分に行えます
3、 オゾンは、病原菌(細菌・真菌・ウイルス等)の感染防止として、手術器具・診察台・入院ケージ・タオル・容器・洗濯機・手洗等、広範囲な衛生管理(代替薬品として)が行えます。
4、 オゾンは、直接流水と容器(ポリ洗浄ビン・スプレー容器・カテーテル等)に移し短時間で使用します。
5、 オゾンは人や動物や環境に無害で、使用後は水と酸素に戻り残留しません。薬剤のような病害もなく、オゾン殺菌後に抗生物質を塗布するなど他との併用が可能です。
6、 オゾンは、目などの粘膜に入っても無害安全で、皮膚が過敏で薬品が使えない(アトピー性皮膚炎など)でも効果を上げています。
7、 オゾンは、仮に飲んでも有機物等で水と酸素に戻ります。
8、 オゾンガスは、待合室の除菌脱臭用や、診察室・手術室など夜間無人下での殺菌脱臭用に使用します。薬品と違い脱臭効果(糞尿臭・動物臭・薬品臭)に優れ、使用後は環境に残留しませんので清拭等の必要もなく安全に使用できます。

オゾン水と他の殺菌方法※1

消毒剤名
オゾン水
イソジン
(ポピドンヨード)
強酸性水
仕組み
酸素より生成
ポピドンヨードが主成分(ヨウ素)
水+食塩より生成
細菌の細胞壁を短時間に破壊する
(耐性菌を作らせない)
細胞膜に作用する 生育環境(ph)を超え死に至る(耐性菌発生の余地あり)
中性 (PH7.2)
強酸性 (PH3.0)
強酸性 (PH2.7以下)
効果
高度(殺菌レベル)
中度
高度
細菌○
真菌○
ウイルス○
×
特記事項
について
排水後、地球環境への残留がない
×
×
器具の洗浄ができる
×
手指の洗浄に使用できる
×
粘膜への安全性がある
強力な脱臭作用には、即効性がある
×
×
食品添加物に認可され、
仮に飲んでも安心である
×
×
水量が豊富に出る 5~15L/分
×
1回の生成量が約2L(造り置き)
応用範囲が広い
×
×
保守等
メンテの手間がかからない
消費電力40W程度
-
50W前後
臨床現場
より
利点:手洗い、入院ケ-ジの消毒殺菌、外傷の消毒 殺菌といった幅広く使えること。また、糞尿の消臭効果もあること。金属腐食生がない。手が荒れない。
利点:外傷、手術部位の消毒刺激が少ない。 利点:消毒についてオゾン水とほとんど変わらないが、保存がきくこと。(7日間くらい)
欠点:30分以上保存がきかない。
欠点:消毒液なため、幅広くは使えない。(消毒のみ)  欠点:作り置きしておかなければならない。金属腐食性がある。 
※1 オゾン水生成器はタムラテコ製(0.6ppm濃度)

オゾン水による殺菌効果
試験菌
対象
試験液1mlあたりの生菌数測定結果
開始時
10秒後
60秒後
大腸菌(O-157)
検体
3.7×105
検出せず
検出せず
対照
3.7×105
3.7×105
4.0×105
サルモネラ
検体
8.9×105
検出せず
検出せず
対照
8.9×105
8.9×105
9.6×105
黄色ブドウ球菌
検体
1.4×106
検出せず
検出せず
対照
1.4×106
1.4×106
1.7×106
腸炎ビブリオ
検体
1.0×106
検出せず
検出せず
対照
1.0×106
1.0×106
8.7×105
白癬菌
検体
1.1×104
n.d
検出せず
対照
1.1×104
n.d
1.1×104
条件 : 水温19℃ n.d:実験せず
溶存オゾン濃度0.58ppm
対照 : 精製水(腸炎ビブリオ)
3%塩化ナトリウム
試験実施機関 : 財団法人 日本食品分析センター

手指の殺菌
検査実施検体品名
一般生菌数
大腸菌群(O-157)
黄色ブドウ球菌
洗う前
21,000
100
500
石鹸洗浄後
11,000
50
500
オゾン10秒浸漬後
1,200
0(陰性)
0(陰性)
オゾン20秒浸漬後
130
0(陰性)
0(陰性)
オゾン30秒浸漬後
50
0(陰性)
0(陰性)
検査方法ヨード測定法
オゾン水濃度0.6ppm/水温20℃±1℃条件

オゾンで脱臭できる物質
臭 気 分 類
化 合 物 分 類
脱 臭 効 果
糞尿臭 ・ 食物腐敗臭 硫黄化合物 R-S-R結合を容易に分解
動物臭 ・ 動物腐敗臭 窒素化合物 アンモニア等を容易に分解
ホルマリン等、薬品の刺激臭 アルデヒド類 アルデヒドを容易に分解
人体臭 ・ 汗 ・ アルコール臭 脂肪酸/炭水化物 イソ吉草酸等を容易に分解

動物病院における、オゾン水の主な使用例
用途
用法
使 用 器 具 等
直接
オゾン
流水
ポリ
洗浄
ビン
スプ
レー
容器
カテー
テル
外傷の消毒
オゾン水をポリ洗浄ビンに入れ、患部をオゾン水で洗い流す。患部の汚れに応じて、洗浄を何回も(1回~10回以上の場合もある)繰り返し、患部のオゾン水は滅菌ガーゼで拭き取る。洗浄時のオゾン水は、使用量に応じてガーゼやタオルで受け、オゾン水を多量に使用する場合には、処置台の排水口より排水処理する。
咬傷
化膿巣
肛門嚢の自潰
手術術野の消毒
毛包虫症
薬浴の前にオゾン水を直接全体に掛け、患部及び周辺の汚れを充分に洗浄する。薬用シャンプーもオゾン水で泡立て洗浄する。オゾン水の自然分解を待ち、約2~3分の間を置いて薬浴をする。(冬期は、オゾン水を[スプレーか洗浄ビン]で万遍なく掛ける。) 
尿石症
生理食塩水による尿石除去の後、オゾン水を注射器に取り、カテーテルで膀胱内に注入する。オゾン水による吸引洗浄を状況に応じて行った後、最後に抗生物質を注入する。
手術器具
直接オゾン流水と、消毒薬により汚れを十分に除去する。そして最終洗浄を1分程度行い、自然乾燥させた後、滅菌収納する。
手術前の手指
手指用の消毒石鹸と、直接オゾン流水で充分ブラッシング洗浄した後、オゾン流水で直接、約1分程度洗い流す。この工程を2~3回繰り返す。
容器
伝染病に感染している患者が使用した容器は、オゾン流水と中性洗剤で汚れを除去・洗浄後、30分~1時間に1度、新しいオゾン水を供給し、延べ3時間程度漬け置く。
診察台
付着した汚物を取り除き、オゾン水を入れたスプレー容器で、万遍なく脱臭・除菌する。最後にタオルで水分を拭き取る。
入院ケージ
スタッフの手洗い
オゾン水と石鹸で汚れを落とした後、オゾン流水で30秒~1分程度洗い流す。
スタッフの外傷
オゾン流水により患部の汚れを洗浄した後に、適切な治療を行う。
処置室/診察室
ホコリ・汚れを除去した後に、オゾン水を万遍なくスプレーして、最後にタオルで水分を拭き取る。
床/待合室
椅子/テーブル
■製品仕様:オゾン水生成装置
仕 様
純貴水 TMO-05型
エルくりん TT-15MDS型
種 類
オゾン水 + 浄 水 ※
オゾン水
水 量
5L/分 + 5L/分
15L/分
取     付
取付け金具一式付き
水栓1~3ヶ所へ拡張可能
外形寸法(㍉)
300(幅)×305(高さ)×150(奥行)
300(幅)×350(高さ)×200(奥行)
オゾン水濃度
0.6mg/L
0.5~1.0mg/L
電 気
AC100V 40W
重量(ステンレス製)
6kg
13kg
備考 :  ※浄 水 = 安全でおいしい飲み水
■製品仕様:オゾンガス生成装置
仕 様
スペースくりん リオン TM-08 IRZ
種 類
オゾンガス
オゾン発生量
7mg/h
取     付
据置又は、壁掛け金具一式付き
外形寸法(㍉)
205(幅)×126(高さ)×70(奥行)
有効スペース
6~16畳
電 気
AC100V 15W
重量
720g