オゾンの利用法

気相を使い食品調理加工施設内を、液相で食材を殺菌する

 現在、オゾンはどのような形で利用されているのでしょう。

 利用方法には、オゾンガスオゾン水、つまり
気相液相の2種類の使い方があります。
  オゾンを生成する機器には、オゾンガスまたはオゾン水の、一方だけを生成させるタイプと、一台でオゾンガスとオゾン水の両方を生成できるタイプがあります。

  食品工場や給食・スーパーマーケットのバックヤードに導入された実績では、オゾンガス・オゾン水両用タイプが、総合的な衛生面で優れており、導入例も多くありますが、ガス部と水部を分ける事も可能です。設置イメージ図1

 オゾンガスは、吹出し口を天井部分に設置し、作業員がいない夜間などに噴霧します。オゾンの比重は空気のおよそ1.8倍であることから作業場の空気や床、側溝に至るまで隅々まで行きわたり、殺菌することができます。

食品の腐敗要因となる空中浮遊微生物は、床や側溝のヌメリ等の栄養分で増殖され水蒸気によって揮散、厨房内を汚染します。これらの場所を殺菌することで、空中浮遊微生物を著しく減少させることが出来ます。また同時に脱臭を行いますので、害虫対策が同時に可能となります。そして、オゾンがゴキブリ糞中の化学物質【集合フェロモン】を分解しますので、ゴキブリの徘徊・繁殖も抑制されます。

 
オゾン水は、水を使う食品加工施設に適しており、現に、食品工場・厨房では盛んに利用されています。調理下処理では、オゾン流水の中に野菜・果物や魚介類等を浸漬し、洗浄シンクで洗浄・殺菌・脱臭・鮮度保持を行います。

また、調理中や作業終了後、調理器機具や床面、壁面、側溝の洗浄・殺菌・脱臭・ヌメリ取りなどへ広範囲に用いるといった活用方法が一般的です。



表1 オゾン利用分野
利用分野
利用対象
用途・目的
上水処理
公共水道用 浄水場(殺菌・脱臭)
公共住宅用 給水タンク内浄水
家庭用飲料水 飲料水の味覚改善
下水処理
一般産業
公共下水道用 殺菌・脱臭・脱色
染色工場・病院 排水処理(周辺環境保全)
住  宅
クーリングタワー 水の殺菌・除藻
プール・浴場 殺菌・脱臭
食品流通
店内浄化 保冷ケースの殺菌・脱臭
輸送車両 殺菌・脱臭
生鮮食品
食品製造
給食施設
飲食施設
魚介類の冷塩水殺菌 パック水殺菌・鮮度保持
冷凍食品の解凍 仕上げの向上・臭み除去
野菜・果物の洗浄殺菌 鮮度保持
食品調理加工施設内の洗浄 調整器具・床の殺菌・脱臭
水  産
畜  産
農  業
活魚水槽 溶存酸素向上・残餌分解
貯蔵庫内・加工室浄化 殺菌・鮮度保持
養豚・養鶏用飲料水 殺菌美味化
畜舎内浄化 殺菌・脱臭
種子・野菜・果物 殺菌・洗浄加工
医  療
福  祉
医療機器 減菌・院内感染予防
歯科治療 口内炎症予防
福祉施設 施設内殺菌・脱臭